みなさんこんにちは!設計2課の吉田です。
はなおかの設計2課では、建物を建てるために必要な許可申請の業務や、構造図の作成など建築に係る幅広い業務を担っています。
その中で私が担当する業務のひとつに『ZEH(ゼッチ)補助金事業』があります。新築やリフォームを検討されている方は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ネットで検索すると膨大な数の情報が載っており、その注目度の高さが伺えますが、「なんだか難しい言葉ばかりで分かりづらい」というご意見をお客様からよくいただきます。
今回は、そんな『ZEH』について徹底解説いたします!
ZEH=ネット・ゼロ・エネルギーハウス
ZEH(ゼッチ)とは、建物の断熱性能等を向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持し大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光パネル等の設備を導入することで年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅のこと。(国土交通省HP一部抜粋)
…なんだか難しくてよく分からないですよね!(笑)
つまり、ZEHとは高性能・省エネな室内環境を実現し、太陽光パネル等によりエネルギーを創ることで一次エネルギーの消費量をプラスマイナスゼロにできる、地球にやさしい住宅ということです。また、ZEHで言う“一次消費エネルギー”とは、いわゆる空調・給湯・照明・換気などです。
建物の断熱性・気密性の向上 + 高効率な設備システムの導入 - 太陽光パネル等の設備導入 = 0(エネルギー収支ゼロ)
がZEHの原則となります!
国の方針として、2030年までには「ZEHが新築住宅のスタンダード」となることを目指しています。
また、ZEHの条件をクリアし、『ZEH交付申請』を行うことで補助金を受け取ることができます。令和3年度の補助金額は60万円/戸(令和3年5月15日現在)。
条件は以下の3つです。
UA値…0.6W/㎡K以下であること
※地域により基準は異なりますが、徳島県ではほとんどの地域でこの基準値です。
UA値とは、建物内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値のこと。値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを示します。
はなおかの平均的なUA値はZEH基準をクリアする0.50W/㎡・K 程度。高断熱材や高断熱窓を採用することにより、この数値を可能としています。
建物に、省エネ効果の高い設備(給湯器・エアコン・LED照明等)を導入することにより、一次エネルギー消費量を従来よりも20%以上削減することが求められます。はなおかでは標準的な削減率が40%程度で、ZEH基準をクリアする値となります。
再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといったエネルギー源のこと。ZEHでは太陽光発電をメインとしており、このエネルギーを加えることで一次エネルギー消費量を大幅に削減することができます。はなおかの標準的な仕様であれば、4kW程度の太陽光パネルを搭載することで、基準一次エネルギー消費量から100%削減を達成することができます。
ZEH+とは、ZEHをさらに上回る性能を持つ住宅のことです。令和3年度の補助金額はZEH60万円/戸に対し、ZEH+105万円/戸(令和3年5月15日現在)。
条件は以下の3つ。
① UA値…0.50W/㎡・K以下であること
ZEH → UA値0.60W/㎡・K以下
ZEH+ → UA値0.50W/㎡・K以下
※間取りや窓の数などによって値が変わるため、計算によって窓の変更や断熱材の厚みを増やすなどの変更が必要になってきます。
※地域により基準値は異なります。徳島県ではほとんどの地域でこの基準値です。
② 一次エネルギー消費量の削減
ZEH → 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減
ZEH+ → 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上削減
③ 電気自動車用コンセントの設置
電気自動車用のコンセント(充電用)を外壁面等に設置する必要があります。また、電気自動車の購入までは義務付けられていません。
この3つを満たすことで、ZEH+を申請することができます。少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、はなおかの住宅は標準仕様でもレベルの高い性能を備えています。それを考慮すると、皆さんが感じているよりもハードルは低いはず。そしてZEH+の大きな魅力は手厚い補助金。そこまでコストの上昇がないので、選ぶならZEH+がオススメです!
一級建築士が解説!ZEHに関するQ&A part2 につづく to be continued...